ルートダブル -Before Crime * After Days- Xtend edition のレビューと感想
ルートダブル -Before Crime * After Days- Xtend edition のPSVita版をクリアした。
正直に言うとおすすめ。Ever17が好きな人はプレイすべき。
しかし、だめなところもかなりあって、コレは傑作だー! と言い切れない歯がゆさもある。
でもノベルゲーム好きならやっといて損はないよ。
面白いところ
このゲームの物語は一直線には進まない。時系列が組み変わりながら、視点を交代しつつ、事件の側面と背景を複数の位置から語ってゆく。事件そのものや人間関係の謎がどんどん積み上げられてゆきながらも、前半まではほとんど解明されない。ルートA、Bをクリアすれば、事件そのものの全体像がようやくわかってくるのだが、その裏にある秘密までは到達しきれないのだ。
後半のCルートで状況が一変する。
筋が通った答えが解き明かされ、それまでの思い込みを反転し、謎だったものが一気に繋がってゆく。これが面白い。
さらにつけ加えると、数字に象徴的な意味を持たせる演出、現実の理論に架空の設定を入れ込んでくる攻め口などは中澤工のゲームおなじみのもので、プレイしたことがある人ならちょっと楽しくなるはずだ。自分も「あっこれEver17で見たやつや……」と思った。
だめなところ
長い。
ルートBが特に長い。緊張感のないキャラクターのセリフを眺めながらぽちぽちボタンを押す作業は結構つらぽよだった。たとえばFate/stay night に比べたら物量的には短いけれど、ルートダブルの日常シーンはほんとプレイ時間が長く感じる。
なんで長く感じるかというと、キャラクターが好きになれないのが一番の原因かなーと思う。
主人公の夏彦はルルーシュみたいなポーズでドヤるのがなんだかなーだし、渡瀬とかいうおっさんは「俺は男なんだ」とかめんどい発言するし、ましろとかサリュとか悠里とかとってつけたような性格だし。
問題は、キャラクターが役割に沿った安易な言動を選んでいることにあると思う。「ここで正気を失うことになってるんで、気が狂ったようなセリフを言います」と、筋の決まった演劇のように、ストーリーの都合にあわせてキャラクターが動いている。だから不自然に感じるし、キャラクターを好きになれない。
そうそう、悠里がメインヒロインのはずなんだけど、一番なじめない存在だった。こういう儚いキャラ、好きじゃないです。もっとこう、予想外の活躍してほしいです。
まとめ
欠点もあるけど面白いのはたしかなので、Ever17が好きならプレイしよう!