タスク検索の概要・ドミニオン編
Photo by Gerry Corcoran
タスク検索がどんなときに行われるか、考えてみよう。
タスク検索の目的
ユーザー像
金曜の夜、京都に住む大学生のたかしくんは初めてドミニオンをプレイした。その興奮は甘くてクリーミーで、こんな素晴らしい体験ができるゲームはきっと特別な存在なのだと感じた。そこで土曜の昼過ぎに起床したたかしくんは「ドミニオンを遊びたいな」と考え、タスク検索をすることにした。
ひとくちにドミニオンを遊ぶといっても、遂行する方法はいろいろある。基本セットを買って友達を誘う、近くのドミニオン会に入会する。インターネットで対戦する。大学のボードゲームサークルに入る。実現しやすいのはそんなところだ。
彼が求める情報を想像してみよう。ドミニオンの基本カードセットやドミニオンを遊ぶ会、インターネット対戦、iPadアプリ、大学のボードゲームサークル、京都のドミニオン会……探すべき情報はたくさんある。上達する方法や初心者を誘うときのコツなどついでに知っておきたいこともある。「基本カードセットを入手する」「インターネット対戦をする」これらはすべてタスクだ。「ドミニオンを遊ぶ」という入力タスクに対して、part-ofやinstance-ofの関係にある。
たかしくんの脳内には「とりあえず基本セットを買う」くらいのタスクは思いついている。だが「iPadでドミニオンを遊ぶ方法を探す」のようなタスクはまだ考えてもいない。
ユーザーの目的
たかしくんの目的はこんなところだろう。
タスク検索が必要な理由
さて、どうしてタスク検索が必要なのか?
もしここでタスク検索の有用性が否定されれば、僕の研究は無価値となってしまう。
試しにタスク検索専用のシステムなしに、既存の検索(Google先生!)でタスク検索を行ってみよう。「ドミニオンを遊ぶ」という入力タスクを遂行する、part-ofやinstance-ofの関係にあるタスクをできるだけ多く発見する。
「ドミニオン 遊ぶ 方法」でググってみた結果はこちらだ。iPadでドミニオンを遊ぶ方法はなかなか出てこない。当然のことながら「ドミニオン iPad」で検索すれば、iPadでドミニオンを遊ぶ方法は発見できる。だがたかしくんが検索を行うとき、iPadでドミニオンを遊ぶという発想はない。昨日の夜に体験した興奮、カードの手触り。そういったもので頭がいっぱいで、インターネット対戦があるなんて思いもしない。
これが、タスク検索が必要な理由だ。たかしくんに「iPadでドミニオンを遊ぶ方法があるよ」と教えてあげることだ。
タスク検索の手法
どうやってタスク検索を実現するか?
それをいま必死に考えているところだ。
どうしよう。
ライバル
いまのところGoogle検索のサジェスト検索が最も大きなライバルだ。
Googleの検索窓に「ドミニオン」と入力し、スペースキーを押してみよう。
サジェスト機能が働き、よく入力されるクエリが表示された。これは多量のユーザーのアクティビティログから推論されるヒントだ。ドミニオンに関して検索する者は、「オンライン」や「ルール」を検索することが多い。
すごい。
これはやばい。サジェスト機能で十分かもしれない。タスク検索いらんこやったんや……。
いやでも「ドミニオン 京都」ではなんもサジェストされないし、iPhoneはサジェストされるけどiPadはされない。サジェスト機能からタスク検索をするには「iPhoneがあるならiPadもあるかも?」とユーザーが頭を働かせる必要がある。ここがGoogleサジェストの弱点だ。
そういえば、タスク検索にGoogleサジェストを利用できるかもしれない。ちょっと検討してみる。