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カリフォルニア州マウンテンビュー在住のソフトウェアエンジニアがいろいろ書きます。

Splatoonで初心者のころに誤解していたこと

SplatoonのウデマエがSになったのを記念してガチマッチに勝ち続けるコツについて書こうと思ったのだけど、A+から上がらないし気づいたらA-まで落ちていたのでやめた。

かわりに、初心者のころに勘違いしていたことについて書く。イカのことに気をつけたらけっこう強くなれるよ!

ジャイロと右スティックは併用できる

ジャイロをONにしていても、右スティックは有効だ。

このことに気づくまでは、ジャイロと右スティックは切り替え式で、どちらかしか使えないのだと思っていた。真後ろを向くときなど、手首をくるーっと回してはYボタンを押して向き直っていた。

スペシャルは敵を倒すためでなく状況を優位にするために使うべき

1人や2人をキルしても、場を有利にできなければ価値はない。できれば、味方が4人全員揃ったところで使うべき。特に、キルされてガチエリアを敵に確保されたときなどは、焦らずスペシャルを溜めて4人全員がホットゾーンに突入するタイミングで使うとよい。

また、仲間の誰かがスペシャルを使ったときに、重ねて使うと効果的だ。たとえばスパショ、サイクロンなどを同時に発動すると、敵は攻めてこられない。

なお、スーパーセンサーなんかはちょっと事情が違う。溜まったらすぐに使うといい。

同数で撃ちあうならちょっと引き気味がいい

ステージの中央よりやや手前、40%程度の位置を維持して戦うことを心がけると、簡単には死ななくてよい。

初心者だと周囲を気にせず前進しがちだが、このゲームは、自分のインクの上に立たないとまともに戦えない。自陣は自分の色のインクが多く、敵陣は敵の色に満たされているのが通常だ。だから、攻めれば攻めるほど、戦いにくくなる。

ガチマッチに勝つコツは、S+になったら書くことにする。

ちなみにこの記事は2015年Splatoon Advent Calendar 2日目の記事です。

スプラトゥーン Advent Calendar 2015 - Adventar

さらに実はSplatoon Advent Calendarはもうひとつあったりします。

Splatoon Advent Calendar 2015 - Adventar

イカよろしく。

Denkinovel iOSアプリのリリース

DenkinovelのiOSアプリをリリースした。

リリースしたのは8月だ。そういえばブログでこのことを発表していないことに気づいたので、いま慌てて書いている。

改めて紹介すると、Denkinovelは小説投稿サービスだ。音楽・画像の演出のある小説を投稿できる。端的にいうと、ノベルゲーム風の小説が作成できる。

DenkinovelのWebサイト http://denkinovel.com/ を見てもらったほうが話が早いので説明は以上に留める。

どうしてDenkinovelを作ったか? をまとめたスライドも用意した。気になる方はこちらに目を通してほしい。

Denkinovel iOSアプリのインストールはこちらから https://itunes.apple.com/jp/app/denkinovel/id1000108250?l=ja&ls=1&mt=8

情報科学若手の会2015に参加してきた。

これ。 http://wakate.org/37

「なぜDenkinovelを作り続けているのか」を発表してきた。あまりWeb上に公開しなくない内容だったのだけど、せっかく作ったのでWeb向けに編集してスライドを公開しようと考えている。

情報科学若手の会というのは、高専生・大学生・大学院生など主に若い人向けの、ちょっとアカデミックな交流会だ。 この記事とかこのブログとか読めば、雰囲気はだいたいわかると思う。今年はIoTが妙に存在感を見せていた。あと、TextAlive加藤淳さんの発表もあって懇親会で機会があったのだけど、なんとDenkinovelのことをご存知だった。とても嬉しかった。

来年も開催されるはずなので、ちょっとでも興味がある人はぜひ来てほしい。アメリカのソフトウェア企業の事情や情報科学の研究所での活動内容など、普段は聞けないことでも当事者本人に尋ねることができる。正直にいうとかなりお得なイベントだ。ちなみに学生だと参加費が安くなる。

昨日、今日の出来事

Scalaスケーラブルプログラミングを読み始めた。Scala, GCのあるSwiftという印象。コンパイルが遅いのも似ている。

実際はScalaのほうが先行して作られた言語なので、Chris LattnerがScalaを参考にしたのだろう。もっというと、Scalaは既存の言語のいいとこどりを狙った言語で、SwiftはさらにScalaを含めた最近の人気言語のいいとこどりなので、似てくるのは当然かなと思う。

New ニンテンドー3DSを購入してゼノブレイドを遊んだ。まだチュートリアルを終えたところ。RPGを遊ぶのは本当に久しぶりで、これからのプレイ体験が楽しみ。上記のScalaとあわせてモナドの力を使いこなしたい。

イシューから始めよ読んだ。今年は結果を出したいと思った。

投資信託の本を読んだ感想

投資信託をやりたくなったので、本を購入した。

投資信託はこの9本から選びなさい全面改訂 超簡単 お金の運用術を読んだ。

資産の運用についてそろそろ考えておかねば知らないうちに知らない勝負に負けてしまうのでは、という危機感から購入したものだ。

読んでみて気づいたのだが、この二つの書籍はどちらもだいたい似たような事を書いている。

  • 日本の投資信託はダメ。手数料狙いのステークホルダーが多すぎる。手数料狙いの連中を関わらせない運用をすべき
  • 金融機関で投資信託の相談をするな。なぜなら、金融機関の営業担当は手数料を狙う人間であり、投資の成否に興味を持たないからだ。
  • 金融商品はネットで買え。どうせ対面と違いは無い。むしろ手数料が抑えられて得する。
  • 10年以上の運用を前提にしろ。それ以下では投資信託の価値はない。

こういうことが書き連ねてある。

当然ながらポジショントークではある。著者は両者ともネット証券の人間でだ。特に投資信託はこの9本から選びなさいの著者はセゾン投信の代表取締役だ。セールスの一環でないはずがない。嘘は書かないにしろ、真実とはあえて離して描いた部分があるだろう。が、そのことを前提にしても、一読の価値があった。

資産を増やすには、投資信託よりも給料を増やしたほうが効率良い、という「ですよね」な結論に至った。資産運用に精を出したところで大儲けはできないし、長期的に見てほぼ確実にちょっとだけ得をするだけ。そのことを知った。それだけで読んだ意味はあったというものだ。

それにつけても金のほしさよ。

428 〜封鎖された渋谷で〜 の感想

428 〜封鎖された渋谷で〜 をクリアした。

端的に感想を述べると、求めているものとは違った。

パズル的な試行錯誤の楽しさはある。ここまで高レベルのノベルゲームはそうそうリリースされないだろう。しかし、小説として読むと、全然入り込めない。自分がノベルゲームをプレイするときはいつも「ちょっとすごい小説」を期待して読み始める。その観点から見ると、428は僕が望んだゲームではなかった。

どうして期待と違ったのか

入り込めなかったのは、キャラクターの行動理由が陳腐なことと、プレイヤーが彼らの感情を把握できるよう、過剰にわかりやすい神の視点で物語が進むからだ。

誠実な小説なら、キャラクターの目的や思考に読者が納得いくよう、丁寧に背景が語られる。だが428ではそれが深く描かれず、とってつけたような安直なエピソードが行動原理として提示される。

ゲームシステムを考えると、それも仕方の無いことだと思う。428において、プレイヤーは第三者のアングルで物語に入り込む。複数のキャラクターの思考を覗き込み、選択肢から答えを選ぶ。視点のジャンプは頻繁で、クリアまでには何十回もの切り替えを行わねばならない。当然ながら、迷いそうになる。キャラクターの目的、抱える問題、人間関係、それらを何度も思い返しながら進めることになる。だから、すぐに理解ができるよう、陳腐にも見えるエピソードでキャラクターの目的が描かれる。

思考や背景を過剰に説明する文体も、即時のわかりやすさを優先した結果使われたものだろう。制作チームは最善の策をとったのだ。ゲームとして楽しめるよう完成するため、小説としての味わいをあえて消した。だから、428は安定して面白いゲームになったし、小説にはならなかった。

カナン編

なお僕はカナン編もプレイした。こっちは僕が求めていた「ちょっとすごい小説」だった。そして完全に奈須きのこワールドだった。

カナン編は428本編の実写画像はなくなり、キャラクターと背景は作画で描かれる。立ち絵はなし。イベントCGのみで、静止画像をパンさせるアニメーションが頻繁に使われる。

で思ったことなのだけど、立ち絵はなくて正解だった。ノベルゲームとしてプレイヤーを没入させる目的に対し、立ち絵はむしろマイナス要素になる。僕がいま考えている新作ノベルゲームがあるのだけど、それも立ち絵なしで作ろうかと思っている。あるとしても、表情を強調する使い方をするだろう。

まとめと蛇足

  • 428はいいゲームだけど優れた小説ではない
  • みゆきちの声かわいい
  • スペシャルシナリオほかエンディング後のボーナスがいくつか残っているけど、めんどいしもうやらなくていいや……

iTunes 428 〜封鎖された渋谷で〜

スパイク・チュンソフト

沙耶の唄 感想

沙耶の唄をクリアした。すごくよかった。

ストーリー

沙耶の唄には余分なものがない。四時間もあれば全ルートクリアできる。週末に一気に読み進めたのだが、濃厚に煮詰めた要素をじかに飲み込むような没入感を味わえた。サブヒロインとかおまけイベントとかは一切ない。最初から最後まで、沙耶の物語にどっぷり浸れるのだ。

短さはノベルゲームの魅力を強める。実は沙耶の唄のあと、名作と言われているCross†Channelをプレイしてみたのだが、20分で飽きた。問題が発生するまでが長いと、辿りつくまえに飽きてしまう。その点沙耶の唄は冒頭から主人公は問題の渦中にいるし、ホラーだし、不快だし、その環境から脱出したいという主人公の目的がわかる。行動原理がわかるから、自然と次の行動を想像するし、発生するイベントとそれに対するリアクションが気になってくる。最初から本題に入れると、最後まで読み進めたいという欲求が強く湧いてくる。

キャラクター

僕は虚淵玄の作るキャラクターが好きなのだが、それは、害意に耐える普通の人が描けているからだと思う。普通の人が普通のまま、がむしゃらになって異質な恐怖に立ち向かう。結果的にはバッドエンドになるけれど、ちゃんと敵に挑んでから負けている。彼らは簡単には諦めない。強い心を持ちながら、どこにでもいる普通の人間だ。それを納得感を持たせながら両立させているのだ。

安っぽいホラー映画だと、こんなシーンがよくある。謎の悪霊が現れて、主人公たちに襲いかかってくる。絶体絶命の危機。悲鳴をあげるヒロイン。何もできず、呆然と立ちすくむ主人公。

それを虚淵玄が描いたらどうなるだろうか? まず主人公はショットガンを持っている。だが冷静ではない。嫌悪感と絶望に飲み込まれ、叫びだす直前だ。しかし彼は恐怖に耐え、狙いを定めてトリガーを引く。初弾は外すが、二発目は敵の急所を射貫く。

「怖いけど、すぐには負けない」。これに、僕はものすごく惹かれてしまう。

そして、とってつけたような異常人物はいない。攻撃的な人間は、ちゃんと攻撃的になるだけの理由を持っている。出来事と設定に、律儀に因果関係で説明づける、職業人らしい仕事ぶりだ。

なお、登場するキャラクター、けっこう虚淵玄おなじみのタイプだ。ソウドオフショットガンを持った人を見たとき「あっこのお姉さんFate/Zeroでみた人だ」と思った。あと余談だけどこのゲーム、主人公にもボイスが入っている。CVは氷河流という緑川光だ。イケボを延々と楽しめる。ヤッター!

まとめ

沙耶の唄、急いでプレイしよう。

ちなみにグロ肉描写が苦手な人のために絵が薄くなるセーフティが用意されているのだけど、OFFにしてやろう。そっちのほうが楽しいから。