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カリフォルニア州マウンテンビュー在住のソフトウェアエンジニアがいろいろ書きます。

ポモドーロ法、始めます

先週からポモドーロ法を始めてみた。

25分集中して、5分休む。これを何度も繰り返す。というのが、よく知られているポモドーロ法 だ。僕も先週まではiOSアプリで25分を計測し、それなりの成果を感じてきた。

だが実のところ、25分の集中だけでは片手落ちだ。重要なのは、記録と見積もり、振り返り、改善点の洗い出しだ。特に、割り込みが発生したときに集中を切らさないこと。もし集中力が保てないときは25分の時間をなかったことにすべきだ。

……そういうことが「アジャイルな時間管理術ポモドーロテクニック入門」には書いてある。著者は数学を修めたプログラマ(今はポモドーロ法のコンサルタントとかで暮らしてると思う)のスタファン・ノートバーグだ。Twitterはこれ https://twitter.com/staffannoteberg で、ブログはこれ http://blog.staffannoteberg.com/

プログラマ(とコンサルタント)として働くうえでポモドーロ法が有効だったと述べているので、僕の仕事でも役立つと思ってこの本を読んでみた。 id:VoQn さんがポモドーロ法の原本を読むことをTwitter上で勧めていたのも、購入に至った理由のひとつだ。

この数日間、およそすべてのタスクを記録して、割り込みや新たに思いついた小さなTODOもポストイットに書いて記録に残してみた。

少なくとも現時点では、ポモドーロ法は自分に適したやりかただと感じられる。頑張っているのに進まない時間、やることがたくさんあるのに出来たことがほぼない体験、そういったものが減ってきた。

なぜポモドーロ法が生産性を高めるのか、理由を考えてみる。ひとつには、作業の使った時間が可視化され、25分ごとに見直さざるをえなくなることがあるだろう。コードを書いたり、調べ物をしたりといった作業は、集中していると一時間や二時間はすぐに過ぎてしまう。集中して作業するのは悪いことではない。しかし、集中して行ったとしても必ずしも目的に直結しないことがあるのが問題なのだ。Chefなどのライブラリの使い方を調べていると、事例がいくらでも見つかるが、それらをすべて見ていても時間がたつばかりで自分のプロジェクトが進まない。

ところが25分ごとに強制的に休憩を取ることで、「自分はなぜこの作業をしているのか?」「目的に対して最短ルートを辿っているのか?」といったことを自問するようになる。このとき、目的がはっきり定まっていないと、なんとなくそれまでの作業を続けてしまう可能性が高い。だが、ポモドーロ法では一日に行うアクティビティを最初に決めるので、目的はきっちりと設定されるのだ。見なおしのお膳立てをしてくれる、という感覚が近い。

また、作業時間そのものも意識せざるをえなくなる。25分ずっとひとつの作業を続けて、進展がまったくないようであれば、やり方を変えるべきだろう。アプローチを切り替えるきっかけを高頻度で作ることで、膠着状態を解除するようにも仕向けているのだ。

と、ここまで書いたけど、振り返りと改善点の提示はそれでも難問だ。「割り込みをなくすための何をすればいいか」「見積もりをより正確にするにはどうすればいいか」あたりは、努力はできても完璧にはできない。日々是精進、心を磨くオネスト・ハートである。